自分では気づかなかった隠れ財産が裏目になった話
前回、個人民事再生で決まるお金の内容についてザックリだが書いていった。
一般的な家庭で財産と呼べるものは、主に自動車や保険の解約返戻金、あとは株式やファンドなどへの投資があれば、それも含まれる。
私の場合、自分では気づかなかったが、もっと大きな財産があったのだ。
それは以前、母親が実家の近くに中古住宅が売りに出ているので、貯金しているより子供たちのために購入したいという話だった。
私としては有難い話なのだが、貯金だけでは足らないため住宅ローンを借りたいという。しかし、父親も年のため父親だけでは借りることが困難とのこと。
そのため、親子ローンで借りるので名前を貸してほしいいうことがあった。
名前だけ貸してくれればお金は一切払わなくても良い好条件だったので、何も考えずに了承して、無事に中古住宅を購入できたというわけだ。
ここまでは、何も問題はない。
しかし、今回のように個人民事再生など債務整理をするとなると、これがとても大きな問題となる。
親子で組んだローンであっても、それぞれに持ち分というものがあり、それは財産としてみなされるのだ。
しかも、当然私の方が持ち分が多くなるので財産としての価値も高い。
いくら田舎の土地とはいってもそれなりの価格となるため、「清算価値保障の原則」からすると、この中古住宅の資産価値分は弁済をしなければいけないということなる。
これにはさすがに参った。
個人民事再生の申し立てをしたときは、承認されればかなり減額になると思っていたのに、自分の持ち家以外の土地と建物の価格が上乗せされるのである。
最悪の場合、支払い困難と見なされれば個人民事再生の承認すら危ういこととなる。
個人民事再生が認められなければ、最後は破産宣告となってしまう。
そうなれば、自分の持ち家はもちろん、車や保険、そして中古住宅さえも処分の対象となるのだ。
それは最悪のシナリオだ。
結果としては、支払い金額がかなり多くなってしまったが、何とか弁護士がうまく取り繕ってくれたおかげで個人民事再生の承認が下りた。
しかし、毎月の支払金額が増えたこと、そして支払う期間が最大の5年間になったことはかなりのショックだった。
それでも家と家族を守れたことは、本当に良かったと思う。
どんな状況でも諦めないで、最後まで頑張ってみてほしい。