個人民事再生で決まるお金について、具体的に話していこうと思う。

 個人民事再生では、債券の総額が5000万円を超えなければ、裁判所に申し立てができる。

もちろん、債権の総額に住宅ローンは含まれない。

しかも、債務総額の5分の1(最低100万円) で多い方の額を弁済するという話だ。

たくさんの借金を抱えている人にとって、自宅を維持しながら借金の額を減らして返済ができる素晴らしい方法ではある。

 

仮に、私のように総額で1000万円の債務があるとしよう。

単純計算では、債務総額の5分の1に当たる200万円が弁済するべき金額となる。

これを3年間となると、200万円÷3年÷12ヶ月=およそ5万5~6千円を毎月支払う計算にある。

 

補足だが、債務の弁済計画では、毎月均等払いか、毎月の支払いを減らしたい場合は、賞与などを支払い計画に組み込むことが可能だ。

しかし、賞与は毎回一定の金額ではないため、一度でも支払いが滞ると全額支払いの地獄に落ちる個人民事再生では、あまり使いたくない戦法だ。

基本的には、毎月均等払いをおススメする。

 

さて、支払い方法も大事だが、まずは自分にどれくらいの債務が残るのかが一番気になるところだ。

単純計算では200万円となり、毎月6万円弱なら今まで20万円近く毎月支払っていたことに比べると天と地ほどの差がある。

 

しかし、世の中そんなに甘くない。

 

小規模個人再生は、債務額の2割を返済するのが原則だが、申立人に一定の財産(99万円までの現預金は除く)が ある場合、その財産額以上の弁済をしなければならない。

要するに、申立人が破産した場合、申立人の財産は、 債権者に配当されるが、その場合よりも同額以上で ないと、小規模個人再生は認められない。(清算価値保障の原則)

 

この「清算価値保障の原則」が厄介だった。

自分には思った以上に財産があったのだ。

これは私に限らず、家族を抱えている普通の家庭に有り得ること。

 

普通、「財産」と聞くと土地や住宅、マンションや株券などを思い浮かべるだろう。

実はもっと身近なところにも財産があったのだ!

 

まずは、自分名義の自動車。

たぶん、どの家庭にもあるであろう自動車も資産価値としては十分高い代物となる。

わが家の自動車は購入から5年以上経過していたので、それほど資産価値もないだろうと思っていたのだが、意外と人気車種のようで90万円以上の価値が付いてしまった。つまり、5年以上たった今でも、それくらいで下取りをしてもらえるということ。

本来なら喜ぶところだが、今回の件に限ってはかなりの痛手となる。

 

つぎに、生命保険など解約返戻金のある保険。

生命保険で掛け捨てとかなら大丈夫なんだが、解約返戻金がある保険の場合は、この金額も財産として提示しなければならない。

保険を長く掛けていたり、保証の厚い保険に入っていたりすると、その分、毎月の支払いが多くなる代わりに解約時の返戻金も多くなる。

しかし、この解約返戻金が財産に含まれると、弁済金額が大幅に増額される。

私の場合、これで90万円近くが財産目録に入れられた。

 

これ以外にも、コツコツ積み立てていた投資信託のファンドも財産となる。

 

おかしいのが、現預金だ。

99万円までの現預金は除くとされている。

それなら、事前にファンドを解約するのはどうかと尋ねたが、申立中に財産を隠ぺいするような行為は裁判所の心証が良くないということで却下された。

 

わずかな金額だが、それでも積み重なると毎月の弁済が苦しくなる。

 

ただ、ここまでの財産目録だと、

保険の解約返戻金 約90万円

自動車の下取り価格約 90万円
(下取り価格を記載したレッドブックという本によるものらしい)

ファンド 約18万円

合計だと、約198万円なので債務総額の5分の1となる200万円より少ないため、弁済総額は200万円くらいだと思った。

 

でも、更に隠された財産があったことに気づいたんだが、長くなったのでまた次の記事に書くことにする。

 

とにかく、思ったよりも財産というのはあるものなので、「単純にこれくらいだろう」と皮算用をしなようにしてほしい。