個人民事再生手続きを弁護士に依頼してからやるべきこと
弁護士を通じて、「再生手続き開始申立書」並びに「委任状」を送ることで”個人再生申立事件”の審議が開始される。
とりあえず、この時点では債権者から借金の取り立てがなくなり、支払いからも解放されるので、かなり精神的に楽になる。
しかしホッとするのも束の間、まずは毎月しっかりと収入が得られる仕事に就かなくてはいけない。
私が行った申し立ては、「小規模個人再生」というもので、小規模の個人事業主が行う手続きとして一般的なものだ。
補足として「給与所得者等再生」という手続きもあるが、返済総額が小規模個人再生よりも高額になるという理由で通常は手続きされない。
どちらの手続きにせよ、安定した収入があり返済額を減額すれば今後、計画的に返済が可能な場合に再生計画が認可されるというわけだ。
ここで重要なことは、「安定した収入があり」ということだ。
簡単に言えばサラリーマンになるということ。
個人事業では、安定した収入を確保することは正直難しい。
また、裁判所にも印象が良くないし、おそらく認可されないだろう。
ということで、まずは就活をしなくてはいけないということだ。
就活といえば聞こえはいいが、年齢も40を超えるとそんな好条件の就職は、まずあり得ない。
よほど、有利な資格や経験があれば別だが、自宅のローンを払いながら更に別の借金を払いながら家族を養うのだ。
生半可な仕事では収入が追い付かないだろう。
私の場合、まだ子供が小さいため嫁も仕事に就けない状況だった。
つまり私一人の稼ぎで全てを担っていかなくてはいけない。
そうなると、つい稼ぎの大きい仕事ばかり選んでしまうのだが、そんな都合の良い仕事などあるわけがなかった。
よくある「自分次第で月に50万円は稼げます!」といううたい文句に引っかかり、勤めた仕事が軽トラックによる配送である。
軽トラックの配送といえば赤帽が有名だが、そこではない。
別のところではあるが、朝4時半に家を出て帰宅は19時前後。
基本的には週一の休みしかなく、結構な重量物も扱うので身体への負担も大きかった。
それでも、多いときの手取りは40万円を超えたが、基本的には請負契約のため保証関係は全て自分で支払わねばならない。
軽トラックの任意保険、荷物の保険、国民保健、住民税、そしてガソリン代。
40万円の手取りでも、これらもろもろを差し引けば手元に残るのは25~6万円となり、時間と身体の負担を考えると何をやっているか分からなくなる。
実際に、急性腰痛を患い、1ヶ月くらいはまともに歩けないこともあった。
担当の弁護士も、請負契約の仕事についてあまり良い印象ではなかったと思う。
そんな仕事でも一年くらい続けたが、やはり収入の面で不安があったため辞めた。
辞めた時に、軽トラックをリースしていたのだが、事故もないのに、原状回復という名目で10万円近く払わされたのは未だに腹が立つ。
その後は、自分の資格を活かして再就職をした。
2年近くのブランクがあったし、それほど経験があるわけでもないのに雇ってくれた今の職場には感謝である。
再就職したことを弁護士に報告したが、やはり印象が良かった。
いろいろだらだらと書いたが何が言いたいかというと、個人民事再生手続きは裁判所に認可されるまで長い期間がかかる。
私の場合は2年以上かかった。
つまり、再就職してから2年近くは借金の支払いがないので、その間に仕事をしっかりとこなし、給料を上げてもらうというのが大事になってくる。
サラリーマンを続けながら副業をするのもありだろう。
というか、副業をした方がいい。
安定した収入に加えて、副業で利益が出ていれば返済は必ず終わる。
長期的な返済計画となるが、今のうちに出来ることをしっかりと準備しておくことが重要である。